10月22日

場合によっては、たとえ非合理的であれ、やはり大きな愛が原因で生じた熱中に身をゆだねるということは、そういう熱中にまるで無関心でいるより、はるかに尊敬に値するのではないかとわたしは思う。青春時代であれば、なおさらのことだ。なぜなら、つね日ごろあまりに分別臭い青年というのは、さして頼りにならず、そもそも人間としても安っぽいというのがわたしの意見だからである!

 この正月から流行に乗って『カラマーゾフの兄弟』を読み直しています。亀山先生のとても良い新訳が出たからです。
 風呂と雪隠とだけで読み進めて、もう10ヶ月かけてます。
 ゆっくり読むことで、若いときに読んだのとまったく違う味わいを感じています。若いときには先を急ぐので、ゆっくり読めないからね。

 上の引用は光文社文庫第3巻の初めのほう、作者自身が顔を出しているところです。